キツネ

里山の鳥や動物1:害獣とは?人間との共存を考える


里山は、人が住みやすい環境ということで山を改良したものです。その代り、動植物にとっても非常に住みやすい環境といえます。おまけに、山から出てくると民家近くにある畑には野菜や果物が豊富にあります。そんなことから、里山に住む人にとっては害獣による被害というのは今や避けられないものともなっています。

ここでは、そんな害獣の生態や被害状況などについてご紹介いたします。

害獣による被害

害獣とは?

害獣とは、人間や人間社会に被害をもたらす哺乳類をいいます。とくに野生動物というのは、エサを求めて必死に生きています。そのため、食べ物が豊富な人間社会にはフラフラと吸い寄せられてしまうに違いありません。しかしながらその一方では、どんな生き物から命を狙われるか分からないような状況です。いわば明日をも知れぬ命です。

そういう意味では、例え害獣といえども可哀そうな生き物といえます。法律で守られている人間社会では考えられないことです。暗い夜道に、暴漢に襲われて財布を盗られて殺されたり、女性であればレイプされるのと同様です。

害獣と人間との共存について

里山の近くに住んでいる住民の方の被害で一番多いのは、猿やイノシシに畑の野菜を食い荒らされることだといいます。それでは、どうして猿やイノシシが人様の畑に無断で侵入して、食い逃げのようなことをするのでしょうか。

それは、人と野生動物との生活圏の境界線が曖昧になっているからだといえます。ただし、野生動物の立場からすると、食べ物が少なくなっていることや食べやすい所まで、人間が進出してきたからだともいえます。やはり本来の理想的な形態といえば、野生動物を狩猟しなくてもよいようなシステムを築くことでしょうね。

農作物の被害への対策

日本全国にある里山周辺の集落では、猿やイノシシらの害獣に農作物が食い荒らされたという被害は日常茶飯事です。とくに農作物を商売にしているような方々にとっては、深刻な問題となっています。そして、猿やイノシシだけではありません。時には鹿やアライグマ・ハクビシンなどに被害を受けることもあります。

そのため簡単にできる害獣対策としては、ネットを張ったり電気柵の設備を完備するなどが挙げられます。あるいは近頃では、人や何かの動きをセンサーが感知をしてライトを照らしてくれるという便利なものもあります。とくにそれは、ホームセンターなどで手軽に手に入るので最も簡単な対策といえます。

害獣の種類

キツネの特徴

キツネといえば、以前キタキツネ物語という映画がありました。このキタキツネは、北海道や北方領土に生息しているキツネです。一方、本州に生息しているキツネはホンドキツネと呼ばれています。たまに田舎の道を車で走っていると、目の前の道路を急に横切ることがあります。

臆病そうな生き物ですが、里山の人々にとっては畑の野菜を食い荒らす害獣以外の何者でもないといえます。

タヌキの特徴

タヌキは夜行性の生き物なので、あまり見かけることはありません。このタヌキも里山では、夜中になるとちょくちょく山から出てきて畑の野菜を食い荒らす害獣といえます。ただし食性は雑食なので、野菜に限らずネズミや昆虫など何んでも食べてしまいます。

イノシシの特徴

イノシシは、日本に限らず海外でも広範囲に渡って生息している生き物です。元々は豚と同じ仲間のようで、豚が野生化して繁殖していったといわれています。たまに、里山に入るとイノシシに遭遇するという話を聞きますが、クマほど獰猛ではないので近くに近寄らなければ襲われる心配も要りません。その代り、里山で暮らす人々の畑はよく荒らされます。

ニホンザルの特徴

ニホンザルは、とても賢く高いフェンスでもすぐに登ってしまうので、里山の人々にとっては一番厄介な害獣といえます。しかも雑食性なので、畑の野菜が採れない時は昆虫や植物の果実など何でも食い漁ります。また好き嫌いも激しく、野菜や果物でも好むものだけが狙われるということがよくあります。

ネズミの特徴

ネズミは警戒心が強いとはいいながらも、人の家の中にでも容赦なく侵入して住み着いてしまいます。しかも夜行性の生き物なので、夜中になると天井裏や壁裏から出てきて食卓を荒らし回ります。とりわけ、テーブルの上に果物やお菓子などを置いたままでいると食い散らかされます。おまけに、朝起きると食べ物が床に散乱しており後始末も厄介です。

その他の生態系についての記事はこちら → 里山の鳥や動物2:里山の鳥にふれてみよう

まとめ

害獣の生態や被害などについてご紹介いたしました。都会に住む人にとってはまるで他人事のような話ですが、里山に住む人々にとっては深刻な問題です。やはり被害を最小限に留めるには、害獣の生態に合わせた対策というものが必要なのかもしれませんね。