クワガタ

里山の虫


今日里山は、人の需要度が減ったために管理放棄された地域が多くなっているといいます。その一方では里山といえば、自然豊かな面もあるので様々な動植物が生息しています。そのため、今日見捨てられた里山に関心を持ってもらおうということから、全国にある里山では昆虫採集などのイベントも行われたりしています。

そこで今回は、里山に生息している虫に焦点を当ててご紹介してみることにしました。

里山と木と生きる虫

里山に生息する生き物の中で最も多い昆虫

集落の近くにある里山は、人との関わりが深い存在でした。そんな里山には、様々な生き物が生息しています。

中でもとくに多いのが昆虫です。昆虫は、食性が実に様々なのが大きな特徴として挙げられます。

例えば植物を食べる昆虫もいれば、動物を食べる昆虫、菌類を食べる昆虫、さらには腐敗物を食べる昆虫もいます。おまけにそれらの昆虫は、樹木と密接にかかわり合いながら生きています。その最たる例が、子供が大好きなカブトムシやクワガタムシです。これらの虫は樫の木などの樹液が大好物なので、樫の木を見つけることがすなわち沢山採取できるコツであるといえます。

虫を通して季節を見分ける

里山には様々な虫が生息しています。おまけに、それらの虫を通して季節を実感することもできます。例えば春には、ツツジの花にはマルハナバチやアブが飛来してきます。また、夏になるとクヌギの木や樫の木の樹液には、カブトムシやオオムラサキが集まってきます。

里山といえば、人が暮らしやすいようにと管理をされてきた山ですが、そうした人の意図とは関係なくこれらの虫の貴重な生息場所ともなっています。とりわけ、虫にとっては樹液を提供してくれる里山の樹木というのは無くてはならない存在となっているに違いありません。

里山とハチ〜養蜂とハチの害について〜

里山で養蜂業

里山は、今や管理放棄されている所が数多くあるといいます。ところが養蜂家の方々は、今でも里山を利用している人が多くいらっしゃいます。とりわけ、養蜂業をする上においてもミツバチは自由に飛び回る習性があるので、里山のような自然環境は最適であるといえます。

しかも、ミツバチの行動範囲は半径2キロ程なので、里山内に生息している植物などの蜜源を自分で探し出してくれます。また、犬や猫などのように毎日エサを与える必要も要りません。勝手にエサを探して生きているというか自立しています。そういう意味では、犬や猫を飼うよりも簡単といえます。

ミツバチの天敵・スズメバチ

全国にある里山には、ハイキングコースやキノコ狩りなどを楽しむことができる行楽地域もあります。そのかわり、そうした森林に入ると注意しないといけないのがスズメバチです。スズメバチともなると、小さなアシナガバチに刺された程度の被害では済みません。

参考:スズメバチ 東京都福祉保健局

ハイキングどころか病院に急行したほうが無難といえます。そんなスズメバチは、養蜂家にとっても悩みの種なのです。要するに、ミツバチの天敵はスズメバチなので、スズメバチからの被害を抑えることがミツバチの越冬を成功させる重要なポイントであるといえるのです。

もし、スズメバチや巣を見かけたら、ミツバチやご自身に被害が出ないように、早めに対処することが大切です。
自分でやるのは危ないので、ハチの巣駆除の専門家に依頼することをおすすめします。(私もそうしました)

私の住む徳島でも注意が呼びかけられています。
蜂・マムシに注意しましょう:徳島市公式ウェブサイト

その他の里山の様々な虫たち

森林を代表する虫・カミキリムシ

里山などの森林には、木材の分解者ともいわれるカミキリムシがいます。このカミキリムシにも、厳密にはフタスジハナカミキリ・シロトラカミキリ・アトジロサビカミキリなど舌を噛んでしまうようなややこしい名前のカミキリムシに分類されます。

こうしたカミキリムシは、幼虫が枯れ木や枯れ枝を食べるという習性があります。その後、成虫になると花粉や花蜜を食べて生きています。里山の落ち葉や枯れ木は、人にとっては大切な田畑の肥料となってきましたが、カミキリムシにとっても貴重な食糧源となっているのです。

子どもの夏の定番・昆虫採集

子供の頃になるとお婆ちゃんやお爺ちゃんが住んでいる田舎に行って、家の近くにある里山で昆虫採集をしたという思い出を持つ方も多いのではないでしょうか。まさに昆虫採取といえば、子供の夏の遊びの定番中の定番ともいえる遊びのひとつです。

それに人が手を加えた山・里山においても、様々な昆虫が生息しており豊かな生態系を維持しています。とくに里山と呼ばれる山に限らず、近くの川辺にも夜になるとが飛び交っています。ただし、都会ではまず蛍を見かけることもありません。唯一、蛍を見かけることのできるのは、里山のあるような田舎に限定されてしまうのかもしれませんね。

まとめ

里山に生息する虫についてご紹介しました。里山といえば今や見捨てられたような地域ですが、こと子どもさんの昆虫採集に関してはそうとはいえないようですね。