籠に入った野菜

里山とおカネの話


日本も戦後の高度経済成長期には、アメリカに追いつけ追い越せという勢いで欧米化がどんどんと進みました。そのため、都会生活にあこがれる若者も多くなり田舎離れが顕著に表れてしまいました。ところが近年、都会から田舎に移住するというリターン現象が増えているといいます。

そのため、かっての里山での自給自足の生活というスタイルも見直されつつあります。ここでは、そんな里山でのお金にまつわる話をご紹介いたします。

都会の生活費と里山の生活費との違い

家賃が大きく違う

近年、田舎離れが多いといわれる中、逆に都会から田舎に移住する方も多くなってきています。そこで都会での生活費と里山での生活費を比較してみると、一番違うのは家賃であるといえます。例えば都会では、賃貸住宅になると毎月10万円から15万円程度の家賃という出費が必ず発生してしまいます。

一方、田舎に移住してきた場合には、とくに限界集落などではすでに人が住んでいないような空き家を借家として提供してもらうことができます。あるいは、一軒家を買い取ることができる場合もあります。ちなみに借家に住む場合においても、里山では3万円前後の家賃で借家住まいが可能となります。

食費や飲み代などが違う

都会で生活していく上においては、食べ物を入手するにはお金が必要になります。その上、週末に同僚と飲みに行くと飲み代もかかります。一方、都会から限界集落といわれる里山で生活するようになると、例え自給自足の生活をしなくても近所の人が農作物を無料で提供してくれるということも日常茶飯事となります。

そのため、食費が大幅にいらなくなります。例えば、都会では1日1人当たり一番安く見積もっても3000円程度の食費はかかります。一方、里山では物価が安い上に自炊がほとんどなので、高く見積もっても1500円程度の食費で済みます。それに、都会のように週末に外で飲むということもほとんどないので、自宅で飲む程度の3分の1以下の飲み代で済みます。

里山は自給自足で食費が浮く?

年金暮らしであれば自給自足も可能

若い方が都会の生活から田舎に移住してきた場合には、当然年金が支給されるどころか逆に収める必要があります。そのため、例え里山といわれるような限界集落であっても、働かないで農作業をしていれば十分生活することができるというワケにはいきません。

一方、都会から田舎に移住してきて老後をのんびりと暮らすという方の場合には、当然年金が支給されるのであえて働きに出る必要はなくなります。ただし例え里山で暮らし始めたからとはいっても、農作業のイロハも知らない者がいきなり自給自足の生活はできません。しかしながら、里山の生活に慣れてくれば自給自足も可能となります。

その他の詳しい記事はこちら → 里山とエネルギー・森林資源

地域コミュニティーの助け合いという経済

地域コミュニティーとは

地域コミュニティーについては、はっきりとした定義はありません。大まかには近所同士の繋がりのようなものをイメージすると分かりやすいといえます。あるいは、集落間における自治体やさらにそれらの集落が集まった市町村においても相互の意見交換やお互い協力し合って何等かの活動を行う場などもそうです。

もちろん近頃では、会社の寮に住んでいた方が所帯を持ってある集落の建売住宅に住むようになったというケースも増えています。ただし、そうした地域でも行政の末端組織に相当する町内会や自治会は存在します。おまけにそれらの末端組織の回覧板などを通して、住んでいる地域の行政を伺い知ることができます。そのため、回覧板という僅かな繋がりも地域コミュニティーの一つといえます。

東北大震災以降地域同士の助け合いが強化された

数年前に発生した東北大震災以降、NPOの法律も改正されたことでボランティア団体も立ち上げやすくなったといいます。また、町内会や自治会などでも地震や災害などに対する避難訓練が強化されています。やはり稀に見る大きな災害というのは、コックをひねったりスイッチを押せば、水や電気・ガスなどが容易に提供されるという安心感への警告といえます。

また近年、都会から田舎に移住してきたという方が増えているといいます。おまけに、移住してきた地域が限界集落などの里山ともなると、隣近所の方々から農作物を提供されるというのは日常茶飯事となります。そうなると、田舎暮らしにおける人と人との繋がりやコミュニケーションの大切さを実感することができるでしょうね。

まとめ

限界集落の里山での生活についてご紹介しました。都会生活に疲れた方や老後をのんびりと過ごしたいという方は、里山での生活というのは最適なのではないでしょうか。